2004-01-01から1年間の記事一覧

風鈴やもうあきらめてゐる父の

さみだるる車道歩道は夕暮れて

ぽぷら句会(http://www2.comco.ne.jp/~mihokoyo/)の三句 兼題「外」 蜜豆や外に出るのが億劫で 季題「短夜」 盤上に無援の騎士や夜のつまる 自由題 雨の色風の色なり杜若

ふらんそわ句会の六句

油 あぢさゐや油を売つてゐたりけり砂漠 香水は琥珀砂漠の夜は藍中止 大南風ゲーム中止の伝言板自由三句 濡縁や井桁の浴衣着て涼む蟾蜍ゆつくり生きて悔い多少えごの花雨を眠つて日をつぶす

軽鳬(かる)の子やブリキ艦隊遊弋す新聞記事にもなったが、数日前から会社のビルの人工池にカルガモの親子が棲みついて、昼休みの勤め人に微笑をくれている。いや、なんともかわいい。

獺麟川句会6月 兼題「有効」有効と言ふもかなしや誘蛾灯

動き出すバスを見送り梅雨の夜

6月のふらんそわ句会用の六句をつくる。 お題は「油」、「中止」、「砂漠」と自由三句。 時事からいかにはなれてつくれるか。 六月や緑はすでに濃くなりぬ

物売にわれもならまし初夏のシャンゼリゼエの青き木のもと 与謝野晶子 樹の葉摺れ光を零し晶子の忌

約束を違へてしまひ七変化

蜘蛛の巣や一日の労苦持ち越さず

なにゆゑにうしろ振り向くふりむきてとりかへしのつく年齢(とし)は過ぎたり 齋藤史 電車のなかで、自分用につくっている詩歌のアンソロジー手帳を繰ってこの歌のところで涙ぐみそうになる。思いの挫けそうな日々だが前を向いて生きなければ。色をもつ一輪の…

雲の裾墨絵になりぬ走り梅雨

獺麟川句会(http://8624.teacup.com/moririn/bbs) 兼題「青山(せいざん)」 逃げ水や吾が青山の夢を見き ぽぷら句会(http://www2.comco.ne.jp/~mihokoyo/) 兼題「貝」 貝の夢とほく響もす卯波かな 季題「立夏」 母と子の絆かなしき立夏かな 自由 道をしへ…

卯の花やゆつくり待つと言つてみる

車前草(おほばこ)の花を羨しと見てをりぬ

どうしても長いのになってしまう

親ゆゑに思ひ屈することのあり若葉に雨は真直ぐに降る

躓きし父と息子や柏餅

梢のみ夕日の照らす栃の花

ふらんそわ句会、俳句三昧の休日

於:ウィングス京都事前につくった兼題の八句 「海」 海暮れて葉桜に波響きけり 「手」 父の手の封書の宛名若葉雨 「車」 菜の花や錆びて動かぬ乳母車 「停」 停年の人に別れて春の虹 「肌」 昼間より肌ざわりよきパジャマ着て 「囲」 センセイの計ってくれ…

亀鳴くや義士の墓より本願寺 西本願寺の唐門

脛ほそき少年剣士夏近し

蘗(ひこばえ)や影の濃くなる昼下がり

春嵐まくられてゐる葉裏かな

リラ冷えや女の傘を目で追へり

こでまりや讃岐の麺は生醤油で

甘いもの少し気にして霞草

惜春や遠い目で見る航空灯 昨年の4月24日からこのコーナーを始めて今日で丸一年。途中で、盆と正月の休載はあるけれど、まがりなりにも一年続けることができました。ご覧いただいている皆様からときどき掲示板で声をかけていただけたのがありがたかった。…

晩春を腕まくりして歩みをり

春の果園児の花壇あかさたな