2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

今月号の英誌「NATURE」。

山口県西部の角島(豊北町)近くで漁船と衝突して引き揚げられた鯨が新種であることがわかったと日本の研究グループが発表。和名「ツノシマクジラ」と命名。哺乳動物の新種が発見されることは奇跡的なことである、とのこと。

故郷を貰ひ受けたる鯨かな

水滴の残る窓より冬の虹

高速をおりて福島日短かし

湯豆腐やさしてこだわりなけれども

冬の陽やフランスパンを肩に掛け

枯園や雨の匂ひに包まれし

もの言はぬもの好ましき海鼠かな

潜りよりはつかに見えし実万両 東大寺近辺を歩く。下下味亭で美味しい珈琲。

青き目の回転木馬冬茜

波郷忌や山田錦に燗つけて

冬めくやネオンサインの赤く濡れ

石蕗の黄や傘にぽつぽつ雨の音

トローチを舐めて「猪買い」聴きにけり

墓地の上を冬鴎舞ひ海荒るる タブッキの『遠い水平線』に

小千鳥の吹かれななめに飛び立ちぬ 風やや強し

狐火に遭ふてさぶらふ酔ふてそろ

柊の花の香りや人恋し

踏みしめてかそけき銀杏落葉かな

年下の代議士の記事うるめ焼く

山茶花のかたき蕾もひらきけり

降り立てば泪まぎらす冬の雨

さうやつて生きて行けよと初時雨 通夜の帰り、誰もいないベンチでしばらく泣いた。

俤は空にあるとも神無月 新入社員時代にはじめて仕事を教わった人だった

思ひ出はすべて笑顔ぞ秋の果て 生涯でもっとも敬愛した方が逝く、哀しくてならず

諦めらめてしまへば終り手負猪

濁酒酌んで道楽談義かな 今日の一句は獺麟川句会(http://8624.teacup.com/moririn/bbs)へ。

流れゆく黄葉の影魚の影 赤目四十八滝を歩く

思えどもむなしきことぞ敗荷 敗荷:やれはちす

鬱屈はどこの傷やら秋時雨