2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

雨音のひときわ高し散椿

人波に溺れおぼろの月と我

石鹸玉あしたの紅顔四十九に

苦甘し根元の赤き菠薐草 菠薐草:ホウレンソウ

明け方の夢の入江に桜貝

獺の祭寿ぎ一献す

草田男のもの見るちから雁瘡癒ゆ 中村弓子さんの『わが父草田男』を読んでいろいろ思うところあり。

春疾風夜行のバスに客ふたり

寝転んで背中ポキポキ春日和

麗らかや連れだち歩む乙女子ら

春の鳥啼くや繁みに光の矢

細枝をシルエットにし春の雲

魚は氷に吾は路上に召されかけ

春愁や傾いてゐる身の錘

黛の一刷毛稚児や猫柳

恋文と雨の匂ひと春一番

記号論とはなんのこと猫の恋

戦前の外交史読む余寒かな

暗きより窓辺に移すヒヤシンス

滅びたる艦隊想ひ目刺焼く

遠望の港のあたり霞立つ

こはごはと膝屈伸の二月かな

ぽぷらの句会(http://www2.comco.ne.jp/~mihokoyo/)へ三句。 兼題「光」 受難曲光の下にミモザ咲く 季題「浅春」 分校やオルガンの音浅き春 自由題 深庇この家にゐて春の夢

春の月蛇の目の酒に色ありて

街騒や花屋の籠の銀風船

定めなる戀も脚色狸汁 今日の一句は獺麟川句会(http://8624.teacup.com/moririn/bbs)へ。お題は「脚色」。

篝火と塔と歓声鬼やらひ 興福寺の鬼追式を観る

凛として動かざるもの寒椿

階段は駆け上るべし春近し