2004-01-01から1ヶ月間の記事一覧

鋼鉄の都市に黄色き冬薔薇

冬木の芽深紅の息吹尖りをり

ハーフムーン冴ゆる夜空の、はるか上

かいつむり消えさゞなみは煌らかに 水鳥多き荒神塚池

もつれたる考へありて寝酒せり

天鵞絨の海の如きや冬の苔

雪片の宙をただよふ四十階

肩こりのほぐれぬ一日寒さかな

味噌汁は余の儀でないが寒蜆

再読の本持つ指も悴めり

恚りつつ歩む夕暮久女の忌 坂本宮尾『杉田久女』読む。

枯芝や憂き身を木偶と思へども

祖母に詫ぶ悪口のこと四温かな

姉様が障子に映す影絵かな

ふる雪やタイムマシーンは過去に飛ぶ 朝、奈良はうっすら雪化粧

手袋の指の先だけ温まらぬ

葉牡丹や昔のままの駅広場

街路樹に打ち込む霰聴きゐたり

寒雷やたるむ犢鼻褌締めなほす 犢鼻褌(たふさぎ):ふんどし

白鳥や振袖の子の耀きぬ

ぽぷらの句会(http://www2.comco.ne.jp/~mihokoyo/)へ。一部手直ししてこちらに再掲。 兼題「柱」 回廊の冬日ためこむ柱かな 季題「雪」 童どち叛徒と云はむ雪礫 自由題 何ならず夫婦善哉かゞみ割

福笹や銀の小判に鯛の赤

水鳥の四五列過ぎる大鉄橋

独楽廻し父の伝授も懐かしき

七草や豊けき湯気のあがりけり

扁額の讃よみ解くや福寿草

ゑまひつつお国問ふなり睨鯛

そろそろと秤の目盛四日かな ぽぷらの新春詠に 初空や文庫結びのをみなたち 獺麟川句会(http://8624.teacup.com/moririn/bbs)へ。お題は「文庫」 置床に祖父の手文庫淑気満つ