2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

蘗(ひこばえ)や影の濃くなる昼下がり

春嵐まくられてゐる葉裏かな

リラ冷えや女の傘を目で追へり

こでまりや讃岐の麺は生醤油で

甘いもの少し気にして霞草

惜春や遠い目で見る航空灯 昨年の4月24日からこのコーナーを始めて今日で丸一年。途中で、盆と正月の休載はあるけれど、まがりなりにも一年続けることができました。ご覧いただいている皆様からときどき掲示板で声をかけていただけたのがありがたかった。…

晩春を腕まくりして歩みをり

春の果園児の花壇あかさたな

桜湯や安茶碗さへ艶やかに 近所の公園にて。

世の中を拗ねて過ごして菜種梅雨

枳殻荘にて句会。 兼題「丸」、季題「遠足」、席題「影」 席題の一部を手直ししてここに収録。丸と遠足は十六日をご覧下さい。 春闌けて影も緑に染みゐたり

山々をパレットにして風光る

キコ句会用の二句。お題は「丸」「遠足」。 まん丸のかき揚げうれし桜えび 遠足や埃だらけの赤白帽

失望をみせてはならじ春落葉

蝶々やいのちの重さ軽さなど

み吉野や飛花の一団空に消へ 天然の「あまご」の塩焼き一尾五百円也。吉野にて

狂ふべきときはありしか春惜しむ 前登志夫の歌を読みながらふいにこみあげてくるものあり。 狂ふべきときに狂はず過ぎたりとふりかへりざま夏花揺るる 前登志夫『霊異記』

掌に鶯餅の重みかな

ぽぷらの句会(http://www2.comco.ne.jp/~mihokoyo/)に三句。 兼題「逆」 逆上がり童女がくるり桃の花 季題「竜天に登る」 龍天に昇りつめたる気安さよ 自由題 積上げし書類が崩れ万愚節

昼時のエレベーターに花の塵

偏頭痛こらへてをりぬ花の昼

花びらを帽子にうけて気づかざる

山つつじ文庫サイズの写生帖

春筍や好みの品は薄味で 春筍:しゅんじゅん;春のタケノコ

今日の一句は、獺麟川句会(http://8624.teacup.com/moririn/bbs)へ。お題は「世間」。小生の出題です。 三鬼忌や世間をかろく渡りたし

雲よりもすこし色濃き桜かな

身を投げて川に張り出す桜かな

やや忙しい日々がつづき、俳句をつくる気力無し。 先日の父の「俳句」もどきを電話で冷やかしたら、今度は漢詩を送ってきた。せっかくだから、ここに転載する。 病窓眺望百感 紹山 平成十六年三月十四日作 七言絶句 南原幽谷炭煙昇 陽春気萬古蘇生 回顧八十…