2003-08-01から1ヶ月間の記事一覧

忘れ物あつた気のする萩の花

鈴虫や本読むことはただ虚し

切り込みのわずかに酸ゆき梨の芯 冷夏により今年は農作物はなべて不作といふ

池の面うろこに寄せて芋嵐

枝豆や空だんだんに暮れてゆき 今夜は火星超大接近といふ

落蝉やしつかり硬く死んでゐる

紅木槿のぞみはなにかと問ふてやる

まつろはぬをのこよろしき角力草

生きてゆく速さ遅さや秋の蝉 向田邦子忌

久々のカラーは固し秋暑し 仕事にもどる

大漁をとむらひと見し桔梗かな 金子みすゞ記念館にて

稲妻や古代の死者は海に向き 大陸系の頭蓋骨をもつ弥生人、数百体が埋葬された遺跡が山口県西部海岸にある。あるとき一族すべてがなんらかの理由で滅んだと推定されており、族長らしきひときわ逞しい男は数十本の矢を全身に受け、頭蓋だけが丹念に粉砕されて…

爽やかに風吹き渡れ肩車 かねたくさんへの慶祝句として

父母のこゑ聴く家や盆の月

朝顔や年寄の住む路地の端

縁先のバケツに残る暑さかな

ぽぷら句会(http://www2.comco.ne.jp/~mihokoyo/)の三句。 兼題「青」 群青のナイルの鰐のアロハかな 季題「涼風」 琉球の創世神話風涼し 自由題 八月や天使は街に降下せず

野分雲濃淡のまま走りけり タイフーン接近中

立秋や雨の匂ひのターミナル 暦の上では秋

水売を歩かせてみる佃島 休日、江戸切絵図の本を半日眺めて過ごす

炎昼や児童公園荒れしまま

いうれいの真昼出づれば糸蜻蛉 今日の一句は獺麟川句会リーグに。兼題は「幽霊」。霊感なるものは全然ないらしく、幽霊をみたことが一回もない。残念でならぬ。幽霊は幸か不幸か見たことがないが、この糸蜻蛉にはちゃんとしたモデルがある

揚げ花火恋をした日もありしかな 淀川の花火大会をオフィスから眺める

含羞草蛇口から飲む水道水 含羞草:おじぎそう

片陰を島に見立てて伝ひゆく 待ち望んだ炎暑だが、やはり暑いと文句言ふ